コンブの計画栽培と温暖化対策
旨味(うまみ)が温暖化対策に貢献⁉️
昨年末、パリにてCOP21が開催され、190カ国以上の国々の参加のもと『パリ協定』が採択され、深刻な温暖化対策が全世界で急務となりました。
わたしたちの仲間はすでに十数年間、日本各地でコンブの計画栽培の実証実験をしてきた経験から、沖縄地方を除く殆どの海域で、コンブの計画栽培が可能である事を実証してきました。
折しも、横浜市ではブルーカーボン(海中生物によるCO2吸収・固定化)の事業化を推進しており、同時期に独立行政法人海洋水産総合センターでは海藻のCO2吸収の数値を発表しました。
[コンブは陸上における杉林(CO2約3,5トン吸収)に対して、16トンも吸収していることが判明した。]
同年、暮れにCOP21で先の発表は衝撃的なものでした。
その幾つかのプロジェクトを一つにする事が出来たらと考え、横浜市の協力の元に実施し始めました。
コンブは日本人と切り離せない食材
古来から日本食の出汁のベースとなってきたコンブは鰹や煮干と肩を並べて、和食を支えてきました。
この類稀な火山の島国から流れ出る水は、海をも豊かにしてきました。磯で育った海藻類を食してきたのも日本人の深い経験からの知恵でしょう。
昆布の無かった中国は秦皇帝の時代から日本の昆布を漢方薬として入手し、海洋ミネラルのもたらす効能は多くの人々を癒してきたことはよく知られています。
また、" KOMBU" や " UMAMI "は世界用語化しています。
広大な海域が未活用
既に、中国では日本の養殖技術を利用して、10年以上も前から国家的なレベルで大規模に昆布を養殖し、その周辺の漁獲量が同比率で改善された事例の報告も寄せられています。
日本の海藻に関する養殖技術や海洋造船技術はトップレベルと言えますが、日本は世界屈指の海洋大国で世界6位にもかかわらず、残念なことにまだまだ十分に活用されていません。
地元漁師さんの熱い協力体制
日本のすべての海は漁業者の協力無くしては漁業は果たせないのが日本の海の仕組みですが、今回は横浜市の積極的な協力もあり、積極的な養殖の経験者が味方になって頂きました。
すでに3ヶ月目に入り4mを超え始めています。 これまでの全国で協力して下さった漁師さんを含め海のある県の協力で、温暖化対策へ十分に達成できる数値を上げることは可能と思っております。
4月には収穫祭を予定し、市民参加型のイベント。
コンブの利活用と可能性
・計画栽培で収穫できた、美味しく栄養価も高いコンブを活用する。
・生、生ペースト、乾燥、粉体等、様々の加工・貯蔵方法があります。
・特に鮮度を維持したペーストは栄養価も高く、汎用性に優れています。
・医薬品としても期待されてヨードは海藻類でトップ。海外の甲状腺の病気予防の為にも活用できます。
・化粧品やビューテーケアに活用できます。
・海洋ミネラルが豊富なため飼料、肥料の活用でき、有機肥料としても最適です。
コンブを知り尽くした専門家と連携
・矢澤 良一氏(元海洋大教授・現在早稲田大学教授/食品科学)
・喜多條 清光 (「コンブ革命」著者)
コンブの収穫量とCO2吸収量
コンブの収穫量とCO2吸収量ここ十数年間での数値を元に平均的な収穫量を基盤に試算致しました。
1本100メートルのロープを1ヘクタール(100mX100m)あたりに、5m間隔で幹糸を張り、排他的経済水域の、たった0.01%を利用した場合で、1ヶ所10ha×10he=100haとした場合の試算。
沖縄地方を除く海域で、約5〜6ヶ月間の育成期間。
コンブの収穫量とそれ相応の二酸化炭素吸収量が可能となる。
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